NHK大河ドラマ「真田丸」第27話「不信」史実から見たネタバレ予想と第26話「瓜売」視聴感想とMVP

真田丸で一貫して描かれる弱小地方大名の悲哀・・今回も・・

今回の真田丸第26話「瓜売」より遂に豊臣秀吉(小日向文世)による「唐入り」、つまり大陸出兵が始まりましたね。秀吉による大陸出兵は2度行われており、これはそのうちの最初の「文禄の役(ぶんろくのえき)」の方です。

しかし明国制圧を目指して大陸に渡った日本軍は、明国に辿り着く前の朝鮮で大苦戦を強いられます。その戦況の暗雲を振り払うために秀吉が行ったのが仮装大会です。この事実は史書にも残っています。

その仮想大会をメインとして描いたのが「瓜売」でした。秀吉が瓜売りに扮したのですが、出し物が被ってしまった真田家をコメディタッチで描いてありましたね。秀吉が瓜売りに扮して大いに場を盛り上げたのは史実ですが、真田昌幸(草刈正雄)と被っていたというのは三谷幸喜の創作です。

この真田丸で第1話からずっと描かれている重大なテーマの一つが、真田家の悲哀。正確に言うと、地方の小豪族(現在は小大名)としての悲哀です。

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信州(現在の長野県)の地方豪族が生き残りのために大勢力に振り回され、屈辱を受けながらも家名を守るために奮闘するのがこの真田丸の大きなテーマです。

そんな悲哀がこの「瓜売」でも描かれていましたね。天下人・秀吉の機嫌を損ねぬために昌幸が仮病を使って出し物を封印してしまう場面です。盛り上がる仮想大会の声を耳にしながら寝そべって

「味良しの瓜~召され候~え~・・」

と口ずさむ真田安房守の背中のなんとも寂しげな事、そして傍らの嫡男・真田信幸(大泉洋)の言いようもない悔し気な表情が真田家の悲哀を存分に醸し出していましたね。

この天下人の仮想大会でこの壮大なテーマを絡めてくるとは思いませんでした。流石ですね。

秀次を覆う黒い影・・そして春とたかが初登場

そんな中、この後の展開として重要な伏線もいくつか描かれていました。

まずは豊臣秀次(新納慎也)の葛藤です。関白となって豊臣家を支えて行こうと決心した秀次にもたらされた茶々(竹内結子)懐妊の知らせ。秀吉の勘気に触れるのを恐れるあまりようやく生まれた嫡男の死に内心ほっとしてしまう秀次。そしてそんな自分に自己嫌悪する秀次・・

この後の秀次の運命を暗示するような一場面でしたね。次週からいよいよ豊臣家内紛の最大のハイライトともいえる豊臣秀次事件が始まりそうですが、その前に秀次の置かれた立場、そして秀次と秀吉の関係性を上手く描いていたと思います。

真田信繁(堺雅人)の正妻となる(松岡茉優)、側室となるたか(岸井ゆきの)も登場しました。春は天真爛漫で少し天然な女性として描かれそうです。芯のしっかりしたところは最初の妻である(黒木華)と共通しているかもしれませんね。

たかについてはセリフが無かったのでまだ何とも言えません(苦笑)。次週以降に期待ですね。

とりが最期に残した兄弟への言葉・・これが信繁と信幸の運命を決める!!

今回の「瓜売」で真田家のとり(草笛光子)があの世へと旅立ちましたね。一度こと切れたかと思いきや・・というあの場面は、三谷幸喜ファンならばニヤリとしたのではないでしょうか。

そう、前回の三谷大河「新選組!」での主人公・近藤勇(香取慎吾)の父・近藤周斎(田中邦衛)の最期の場面を思い出させましたね。こういうの三谷幸喜好きですよね(笑)。

おとりばあさんが信繁と信幸を櫓につれて行って二人に残した言葉・・

これは非常に重要な意味を持ちます。真田丸の、いや真田家の今後を決める一言です。

「人はみな運命(さだめ)を持って生まれてくる。それに気付くか気付かぬか・・」

真田信繁と真田信幸は秀吉の死後に勃発する関ヶ原の戦いにおいて、石田三成(山本耕史)率いる西軍と徳川家康(内野聖陽)率いる東軍に別れて全く違う道を歩むこととなります。

そして、真田信繁は大坂の陣で「真田日本一の兵(つわもの)」と敵軍からも称賛される戦いを見せ、真田の名を後世まで残します。

一方で真田信幸は徳川幕府の中で大名として幕末まで真田家を繁栄させる礎となり、真田のお家を守り抜く事となります。

弟は死して名を残し、兄は生きて家を残したのです。とりのいう二人の運命とはこのことを暗示しているのだと思います。

この兄弟のこの先の人生を考えると、非常に重い言葉でしたね。二人はこの先己の運命を悟り、各々の運命を全うする事となるのです。

「瓜売」のMVP 草笛光子さんの存在感はさすが!中原丈雄さんも脇で光ってます

毎回退場していくキャラをMVPにしているような気がしますが(汗)、今回もご多分に漏れず(笑)、最期を迎えたおとりおばあさんにします。

草笛さん、やはり凄い女優さんです。存在感が半端ないです。武田信玄に仕え、戦国の世を生き抜いた女性というオーラに満ち溢れていましたね。最期の信繁、信幸に残した言葉にはグッときました。

文句なしでしょう。いや文句なしなのです(笑)。

次点で迷ったのが豊臣秀次。真田丸での豊臣秀次はなんかホッと出来る存在ですよね。庶民的というか、小市民的というか(苦笑)。現代人の我々でも共感できる人物ですね。そして巷で言われているような「残虐非道」な人物でもなく、秀次の再評価に繋がるような人物像です。演じる新納慎也さんはこの役を機に一気にブレイクするんじゃないでしょうか。

もう一人、個人的に良かったのが真田家重臣であり、きり(長澤まさみ)の父でもある高梨内記(中原丈雄)。初回から登場し、昌幸の腹心としての名演が光る中原さんですが、この役者さんもやはり凄いですね。渋い脇役というイメージが強かった中原さんですが、この真田丸の高梨内記役ではコメディパートもあります。それがまた面白いんです。間がいいんですよね。やっぱり一流の俳優さんは何でも出来るんだなと再認識しました。これからの内記の活躍にも期待ですね。

真田パパも家康も秀吉も茶々も相変わらず皆良かったんですけどね(笑)。ほんと難しいですよ、毎回毎回。

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第27回「不信」のストーリー

齢五十を過ぎてようやくできた嫡男・鶴松を失った秀吉に、第二子となる男児が誕生した。後の豊臣家二代目、豊臣秀頼である。

その頃豊臣家に仕えていた真田源次郎信繁は、秀吉の命により関白豊臣秀次に仕えるよう命じられ、秀次の側近くに仕える事となった。

秀頼誕生によって、自身の存在自体を秀吉が疎むのではと心配する秀次は、叔父である秀吉の機嫌伺いのために吉野で行われた大花見大会で能を披露し、秀吉の機嫌を取ろうとするが、そんな秀次に対して秀吉は意外な態度をとるのであった。

天下人である秀吉は、豊臣家に仕える信繁に対して朝廷からの官位を授けると信繁に伝える。しかし未だ無位無官であった信幸に遠慮する信繁は、兄である信幸にも官位を授けてくれるよう秀吉に懇願する。

官位授与を知って喜ぶ信幸であったが、信繁の計らいで官位を得た事を知り激怒。信繁との仲は不穏なものとなってしまう。

そんなある日、関白である豊臣秀次が突如姿を消してしまう。これが秀次にとっても、豊臣家にとっても最大の悲劇の始まりなのであった・・

史実から見た「不信」ネタバレと考察

豊臣秀頼誕生のシーンで幕を閉じた真田丸第27話「瓜売」。

そして秀頼誕生によってもたらされる悲劇の幕開けを感じさせるように、秀次の秀吉に対する畏怖心と猜疑心が印象に残りましたね。

秀次の身に起こった悲劇が起きたのが文禄四年(1595年)。秀頼誕生が文禄二年(1593年)ですから、「瓜売」ラストから二年後のことです。

実際に史実においても、秀頼誕生後から秀次の健康状態が悪化したという記述が残されています。秀頼誕生によって関白となった自分自身の地位が脅かされるのではないかという恐怖心からであるとも言われていますね。その不安定な精神状態から罪なき人を殺めるようになったという書物もあります。これが秀次が「殺生関白」と呼ばれている語源です。ただし、現在ではこれらの「殺生関白」と名付けられる理由となった蛮行については、その真偽が疑問視されています。

とにかくただ一つだけ言えることは、豊臣秀頼の誕生は間違いなく豊臣秀次の人生を暗転させてしまったという事でしょう。もちろん秀頼自身に何の罪もありませんが。

謎の男・真田信繁を描く真田丸 コメディ色に隠された大河ドラマの本質

今回の「瓜売」の冒頭のシーンで、秀次は側室にと望むきりに対して自分の側室や子らを紹介するシーンがありましたね。あの場面は後に起こる秀次の悲劇を考えると非常に胸が痛くなるシーンでした。次週はまだその場面は訪れないでしょうから詳細は省きますが、その場面をNHKはどう描くのでしょうか。それほど悲劇的で悲惨な出来事なのです。

ちなみに、次週の予告では豊臣家に仕える真田源次郎信繁が秀吉の命によって豊臣秀次の側近くに仕える事になるとあります。

しかし信繁が秀次に仕えていたという確たる証拠はありません。わかっているのは信繁が秀吉の馬廻衆であった時期があり(これも有力ではあるが確実ではない)、豊臣家に直接仕える身であったという事だけです。それくらい信繁に関しては大坂の陣までの半生は分かっていないことが多いのです。

三谷幸喜はそれを上手く逆手に取っていると言えるでしょう。大坂城にいたのは事実ですが、その内実はよくわかっていない。これは脚本家にとっては非常に想像力をかき立てられるシチュエーションなのでしょうね。逆に言うと、大河ドラマの主人公としてこれほどうってつけの人物もいないのかもしれません。天下の中心・大坂城にあって色々な人や出来事と絡ませられるのですから。

「瓜売」はコメディ色が強すぎてという批判がネットなどでは上がっていますが、逆に言うと秀次の場面などはあまりに悲劇的すぎます。あの仮装大会があってこそようやくバランスが取れたと個人的には思います。そうでなくてもこの先は怒涛のシリアス展開になるはずです。シリアスとコメディのバランスを取りながら、飽きさせることなく間延びさせる事なく一気に見せる事が出来る真田丸の脚本はやはり秀逸であるとわたしは思っています。

わたしの周りにもいるのですが、真田丸を見て「こんなのは大河じゃない」と思って見ていない大河ファンの方は本当に損をしていると思います。コメディパートだけに気を取られると「木を見て森を見ず」になってしまうと思うんですけどね。誰が何といおうと真田丸は大河ドラマらしい大河ドラマですよ。少なくとも近年の大河ドラマの中では群を抜いていると思います。

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