【大河ドラマキャスト】小野但馬守政次(おのたじまのかみまさつぐ/鶴丸)直虎や直親の運命を左右する井伊家の忠臣?逆臣?

「おんな城主 直虎」で大河ドラマの主人公となる井伊谷の国人・井伊家。

幕末の徳川幕府大老・井伊直弼(いいなおすけ)らを生んだ徳川家の名門・井伊氏ですが、戦国の安土桃山時代は井伊家にとって苦難の歴史でもあります。

徳川、今川、武田、織田という大勢力の狭間で生き残りをかける井伊氏。その井伊氏の中で宿老として君臨したのがここでご紹介する小野政次なのです。

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小野但馬守道好(おのたじまのかみみちよし)の略歴

誕生~桶狭間、井伊直親の死まで

生年は不明。父は井伊家の家老・小野和泉守政直(おのいずみのかみまさなお)で母は不明。別名を小野政次、或いは小野但馬守(たじまのかみ)とも。ドラマ中では小野政次だが、ここでは通称としてよく用いられる小野道好とする。

井伊家第二十二代当主であった井伊直盛の家老として井伊家ではかなりの実力者であった小野家の嫡男として生まれた小野道好(政次)は、天文二十三年(1554年)に父の政直が死去すると、小野家の跡目を継いで小野家当主となった。

父・直満の政敵であった小野政直の死去により、政直の讒言によって父の直満を自害に追い込まれて信濃へ逃げていた直満の嫡男・井伊直親は弘治元年(1555年)に悲願の井伊谷への帰還を果たす。

遠江国井伊谷に帰郷した直親は、井伊家当主であり男子のいなかった従兄弟・井伊直盛の養子となって次期井伊家当主の座に収まる事となった。

永禄三年(1560年)、井伊家の主君筋となる駿河の今川義元は西へと大軍を挙げる事となり、井伊直盛らも今川義元の西上軍に加わる事となる。圧倒的な兵力で今川領に隣接する尾張国へと進軍した今川義元であったが、尾張国の桶狭間で尾張の織田信長の奇襲を受け、義元は討ち死に。付き従っていた井伊直盛や小野道好の弟である小野朝直らが討ち死にしてしまう。

当主であった直盛を失った井伊家は、直盛の養子である直親が当主となる。直盛は桶狭間での討ち死にに先立ち、遺言として次期当主の直親を補佐する井伊家の宿老を井伊家代々の家臣である中野直由に任せる事を残していた。これは、直満を自害に追い込み、直親が信濃へ逃亡する原因ともなった小野家の力の増大を危惧しての事であったといわれている。

この直盛の遺言により、井伊家は新たな当主である井伊直親を家臣・中野直由を中心に補佐する体制が敷かれ、小野家の力は政直の時代に比べれば随分弱まったといわれている。父・直満を死に至らしめた小野政直の子・道好と井伊直親の仲は犬猿であったともいわれており、井伊直親の元で冷遇された小野道好の不満はこの頃よりくすぶっていたともいわれている。

桶狭間の戦いでの今川義元の死によって今川家は義元の嫡男・氏真が後を継いだが、三河国の今川家家臣・松平元康は義元の死をきっかけに今川家から独立。名を徳川家康と改め、今川家の宿敵である織田信長と同盟を結ぶ。

この松平元康の独立をきっかけとして、井伊谷のある遠江国の国人衆たちは今川家と徳川家の狭間で揺れ動く事となった。今川の元を離れて徳川家に寝返る国人が出ているさ中、井伊家で冷遇されていた小野道好は、井伊直親が徳川家康と内通しているという話を今川氏真に讒言する。遠江の実力者である井伊家の離反を恐れた氏真は井伊直親の討伐を決意。この氏真の真意を知った直親は、氏真に申し開きをするために今川家の居城・駿河へ向かう。

しかし永禄五年(1562年)、直親は氏真に謁見するために駿河へ向かう途中で今川家家臣・朝比奈泰朝の率いる軍勢に討たれて死亡してしまう。氏真が朝比奈に命じて差し向けた軍勢であったといわれている。

犬猿の仲であった直親を計略によって葬った道好は、直親の遺児である嫡男・虎松(後の井伊直政)も亡き者にしようとするが、今川家臣・新野親矩(佐馬助)の介入によって虎松は命を助けられた。

井伊直虎当主~井伊家の実権掌握、そして没落まで

直親の後は直親の祖父に当たる井伊直平と家臣・中野直由が井伊家の中枢にあったが、永禄六年には直平が病死、そして翌永禄七年には中野直由が引間城攻めで戦死。

次々と中心人物を失った井伊家は、先々代当主であった井伊直盛の娘で、龍潭寺(りょうたんじ)に出家していた次郎法師を還俗させて井伊直虎と改名させ、井伊家の実質的当主とすることとなった。

しかし井伊家の実権は政敵・井伊直親と中野直由がいなくなった小野道好が握っており、実質的に井伊家は小野道好の専横体制であったともいわれている。

永禄十一年(1568年)、今川家とは同盟関係にあった甲斐の武田信玄が同盟を破棄して今川家の領国・駿河へと侵攻。するとこれを防ぐため、今川氏真は井伊谷の実質的権力者であった小野道好に、井伊家の次期当主である幼年の井伊直政の殺害を命令。直政を亡き者にして小野道好に井伊谷の全権掌握させ、井伊谷の全軍を率いて武田信玄との戦いに加勢する事を命じる。

氏真の命令通り、直政の命を狙った道好であったが、直政は母のしの井伊直虎、直虎の母である祐椿尼らとともに井伊家菩提寺である龍寺潭に匿われ、難を逃れた。しかし当主である直虎らがいなくなった井伊谷は完全に小野道好の手に落ちる事となってしまったのである。

井伊谷城が宿敵・今川家に近い小野道好の手に落ちた事に危機感を強めた徳川家康は、井伊谷奪還のために井伊家に力を貸す事を決意。小野道好に反旗を翻した井伊谷三人衆(菅沼忠久、近藤康用、鈴木重時)を支援し、小野道好は井伊谷城から退却、井伊谷の実権は元通り井伊家に渡る事となった。

井伊谷城脱出後の道好は潜伏するが捕らえられ、永禄十二年(1569年)に処刑された。道好の子も一か月後に斬刑に処され、小野家は井伊家での影響力を完全に失ったとされている。

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小野政次悪人説は勝者の歴史?徳川家康にとって敵であったが故の悲劇なのか?

井伊家獅子身中の虫として、井伊家内ではあまり評判のよくないのがこの小野政次という人物ですね。父・政直は井伊直満を、そしてこの政次はその直満の子・直親を讒言によって死に追い込みました。

そして井伊家の実権を一手に握って専横したと伝えられています。

しかし個人的にはこの小野政次という人物が本当に現在伝えられているほどの悪人なのかという疑問があります。

というのも、小野政次悪人説は、井伊家が徳川家の譜代家臣として取り立てられた後に残っているものがほとんどであるからです。上記したように、小野政次という人物は今川家に近い人物でした。今川家は徳川家康にとっては完全なる敵。井伊家の主君である徳川家にとっては敵に与する人物、つまり徳川の敵であった人物であるというわけです。

歴史というのは勝者によってつくられた歴史であり、その勝者による歴史が勝者に歯向かった敗者をよく描く事はほとんどありません。つまり、徳川政権の中心的人物であった井伊家にとって、徳川の敵であった小野政次をいいように描けるわけがない・・というのが前提にあるのです。

というわけで、小野政次という人物も井伊直親と同じように、この戦国の風雲の中に巻き込まれて死んでいった人物ではないかと思うわけです。

家臣の分際で主君を陥れて主家を乗っ取ろうとするというのは、これ以上ない不忠者と思われる人もいるかもしれませんが、これも戦国時代では珍しい事ではありません。仕える主家が危なくなれば、家臣たちも主家を変えるなどと言う事は、下剋上の戦国乱世では当たり前の事です。家臣たちも自分の家を守る事が一番の使命なのですから。

というわけで、次々と襲い掛かる難題に対して小野政次という人物は主家を守り、自家を守るために最善の道を探っていった可能性も大いにあるのだと思えます。今川家に接近したのも、井伊家存続のためには今川の元を離れるべきではないという政次なりの判断があったのかもしれません。まあ、歴史の結果を見れば、今川氏真につくのと徳川家康につくのと、どちらが正解かは明らかなのですが・・(苦笑)

そのような政治判断のセンスの有無は置いとくとして、現在残っている資料だけで小野政次という人物を見る事は少し気の毒かなと思ってしまう武将ですね。


実力派・高橋一生(たかはしいっせい)演じる政次と小林颯(かい)くん演じる鶴丸

戦国時代の大きなうねりの中で井伊家の舵取りを任された小野政次。井伊家を乗っ取ろうとした奸臣(悪い家臣)という評価で語られる事の多い非常に難しい役どころとなる子の武将を演じるのが高橋一生さん。

大河ドラマは1999年の「元禄繚乱」を皮切りに、2004年の「新選組!」、2007年の「風林火山」、2014年の「軍師官兵衛」に出演。この「おんな城主 直虎」が通算5作目の大河出演となります。

2004年の三谷幸喜作品である「新選組!」では伊勢桑名藩主の松平定敬役を演じた事もあり、個人的には昨年の三谷大河「真田丸」にもかなり重要な役で出演するのでは??と期待を抱いていました。しかしこの直虎でこれほど大きな役をするのであれば、そりゃあ真田丸出演はありませんよね(笑)。3年前の「軍師官兵衛」では主人公の黒田官兵衛を補佐するクールな家臣・井上九郎右衛門を演じて好評を博しましたね。まだ36歳ですが、大河ドラマでのキャリアはベテラン並といっても過言ではないでしょう。

それもそのはず、高橋一生さんもドラマ内では宿敵となる井伊直親役の三浦春馬さん同様、子役からキャリアを積んでいる俳優さんなのです。10歳での映画デビュー作はビートたけし主演の「ほしをつぐもの」。以降これまで第一線で活躍し続けている実力派です。

個人的には「民王」での秘書・貝原茂平役がやっぱり一番好きですね。あの役は高橋一生以外にあり得ません。貝原主演のスピンオフ作品も作られるなど、大人気を博した最大の当たり役だと思いますね。遠藤憲一、菅田将暉、高橋一生の名演バトルは未視聴の方には一見の価値ありだと断言します。

もはやバリバリの実力派として名を馳せる高橋さんですから、これまでほとんど演じられる事の無かったこの小野政次という武将が高橋一生色に染まる事は間違いないでしょうし、これまでスポットライトの当たらなかった歴史上の人物として一躍脚光を浴びる事となりそうな予感がプンプンします。

そんな小野政次の子役時代を演じるのが小林颯(こばやしかい)くん。11歳になったばかりの小学生です。大河ドラマ初出演となる小林君演じる鶴丸(政次の幼名)とおとわ、亀之丞の子役三つ巴バトルも非常に興味深いですね。

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