[平清盛]面白いが低評価な名作大河ドラマ 脚本・キャストやOP 源義経や平重盛・藤原頼長役等は誰が?

テレビドラマはいい意味でも悪い意味でも視聴率の良し悪しによって作品の中身までも左右されてしまう側面があります。

もちろん視聴率という数字は作品の出来の素晴らしさを表す指標ではありません。よって、低視聴率のレッテルを貼られて必要以上に過小評価を受ける作品も数多くあります。

ここではそんな作品の一つともいえるNHK大河ドラマ「平清盛」をご紹介したいと思います。

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2012年放送の51作目となる大河ドラマ「平清盛」とは

まずはNHK大河ドラマ「平清盛」という作品の簡単なご紹介を。

ジャンル :歴史ドラマ
放送期間 :2012年1月8日~12月23日
放送時間 :毎週日曜日20:00~20:45
ドラマ枠 :大河ドラマ
放送回数 :全50話
制 作 局:日本放送協会(NHK)
制作統括 :磯智明・落合将
演   出:柴田岳志・渡辺一貴他
音   楽:吉松隆
脚   本:藤本有紀
主   演:松山ケンイチ
語   り:岡田将生
平均視聴率:12.0%
最高視聴率:17.8%

平均視聴率12.0%という数字にどうしても目が行ってしまいがちですが(苦笑)、そこはとりあえず置いておいて、まず個人的に力説したいのが、吉松隆さんの手掛けたオープニングテーマの素晴らしさです。

吉松隆の壮大なOPと劇中歌でELPの名盤タルカスも!

ラストの「遊びをせんとや生れけむ」という歌詞とこの上なく美しいピアノのプロローグが激しく心に響くオープニング曲は、まさに大河ドラマに相応しい起承転結を具現化した壮大な叙事詩となっています。わたしは以前の記事「珠玉の名作が揃うNHK大河ドラマオープニング曲 独断と偏見で選んだ大河OPベスト10 異論は認めますw」の中ではこの平清盛のOPを選外としていますが(爆汗)、恐らく違う日に記事を書いていたらこの平清盛OPはベスト10入りしていたでしょう。それくらいに素晴らしいオープニングです。

さらに素晴らしいのが劇中で使用された吉松隆氏の楽曲群。特に個人的にはイギリスを代表するプログレバンドのELP(エマーソン・レイク&パーマー)の超名盤アルバムの「タルカス」から20分を超えるタイトル曲「タルカス」の「噴火」「マンティコア」「アクアタルカス」の吉松隆オーケストラ編曲版がとにかく絶品です。ハードロック好きからプログレを後追いで聴いていた人間からしてみれば非常にうれしかったですね。

そんな音楽的バックグラウンドがなくてもこの吉松隆さんの素晴らしい楽曲には心を打たれるはずです。壮大でドラマチック、まさにこの吉松隆音楽こそが大河ドラマを体現しているといっても過言ではないですね。

源平時代大河は6作目、清盛主役は仲代達也主演の「新・平家物語」以来

このNHK大河ドラマ「平清盛」には原作がありません。脚本家・藤本有紀さんのオリジナル脚本となっています。これはここ最近の大河ドラマでは非常に多いパターンとなっており、そういう意味ではこの作品も近年の例に倣った作品といえるかもしれません。

この「平清盛」は、平安時代末期から鎌倉幕府成立までの源平争乱時代を舞台としたドラマですが、これまでの大河ドラマでこの源平時代を描いた作品は以下の通りです。

放送年    タイトル名  主人公  主演俳優

1966年  源義経    源義経  尾上菊之介
1972年  新・平家物語 平清盛  仲代達也
1979年  草燃える   北条政子 岩下志麻
源頼朝  石坂浩二
1993年  炎立つ(3部) 藤原泰衡 渡辺謙
2005年  義経     源義経  滝沢秀明

この平清盛が源平時代を描いた6作品目の大河ドラマであり、現時点(作品が決まっている2019年までの)では最後の源平物の大河ドラマという事になっています。

そして平清盛を主人公として描くのもこの「平清盛は」1972年の仲代達也さん主演の「新平家物語」以来40年ぶりというメモリアルでもあったのです。

時として時代劇などでは悪役として描かれることも多い平清盛を、前半は型破りな武士、そして海賊としての側面も持ったワイルドな男として、後半は一代で巨大な平家帝国を築き上げた英雄として描いた藤本有紀さんの脚本は実に見事であったと思います。歴代の源平物の傑作に劣らぬ傑作なのは間違いないと思います。

若かりしワイルドな清盛と権力者としての清盛を見事に演じ分けた松山ケンイチ

平清盛

主人公の平清盛を演じたのが、松山ケンイチさん。大河ドラマは初出演にして初主演となりました。

恐らく歴代の大河ドラマ主人公の中でもこの平清盛という人物は最も演じるのが難しい人物のうちの一人でしょう。

前述したとおり、平清盛には二つの相反するといってもいい側面があります。武士の世を作り上げた偉大なる人物という側面と、その威光を背景に朝廷をも牛耳ろうとして結果的には源氏に取って代わられることとなる、平家を滅亡に導いた人物という一面です。

白河法皇(伊東四朗)の息子として生まれ、平家の頭領としての運命に反発しつつも一族をまとめ上げ、保元の乱、平治の乱で勝利をおさめ、ライバルである源氏を追い落として「平家に非ずんば人に非ず」とまで呼ばれるほどの平家の最盛期を築くこととなります。このあたりまでは真っすぐで一本気な清盛を松山さんが勢いよく演じていましたね。

そんな最盛期からの後白河院との確執、それに伴う後白河の幽閉や遷都など、晩年の愚行(一般的にはそう言われている)の演技も松山ケンイチさんは見事でした。むしろ、晩年の天下人たるオーラを携えた貫禄溢れる姿と時に狂気をはらんだ演技こそ、このドラマのマツケンの本領発揮だとわ他誌は声を大にして言いたいですね。本当に素晴らしい清盛でした。

中井貴一と豊原功補は円熟、重盛役の窪田正孝は圧巻の演技力

この「平清盛」は平氏の物語なので、もちろん主人公サイドの黄金時代を築いた平氏のキャストは豪華絢爛です。

父の平忠盛は中井貴一さん。大河主演経験もある問答無用の名優です。母親の池禅尼(いけのぜんに)役は和久井映見さんで祖父の平正盛役には中村敦夫さん、保元の乱で敵味方に分かれて戦う叔父の平忠正役には豊原功補さん。特に中井貴一さんの演じた忠盛と、叔父の忠正は清盛の人生を決定づけるような重要なキャラであり、二人ともそれに恥じない重厚な演技でしたね。

清盛の弟たち、平家盛(大東駿介)、平経盛(駿河太郎)、平教盛(鈴之助)、平頼盛(西島隆弘)、平忠度(ムロツヨシ)らももちろん豪華なのですが、平家一門の中でもずば抜けた演技力で異次元の存在だったのが、清盛の長男である平重盛役の窪田正孝さん。当時まだ24歳です。ハッキリ言って20代の若者の演技力ではないですね。特に長じて父・清盛と朝廷との間で苦悩しながら若死にする重盛の演技は圧巻の一語。ぶっちゃけこの人の演技を見るだけでもこのドラマを見る価値はあるといってもいいでしょう。

平宗盛(石黒英雄)、平知盛(小柳友)、平重衡(辻本祐樹)なども存在感ありましたし、キャラ立ってましたね。

平家家臣も豪華絢爛、平盛国(上川隆也)、平家貞(中村梅雀)、伊藤忠清(藤本隆宏)らはここにこの人配しますか?ってくらい豪華というか、贅沢なキャスティングでしたね。

兎丸(加藤浩次)は・・うーん、このキャラだけはちょっと個人的には最後までダメでしたね。理由は・・まあ見てもらえれば分かると思うので省いときます。ただし、決して演者の加藤浩次さんのせいではないという事だけは言っておきます。まあキャラ設定ですね。見た目とかのね・・

あともう一人個人的に残念だったのが平時忠(森田剛)。時忠といえば、清盛の正室である時子(深田恭子)の弟にして、平家一門でも一番の曲者というか、腹に一物秘めたに手も焼いても食えない食わせ物という印象の強い人物です。

しかしこのドラマでの時忠はそんな奥深い人物には見えませんでしたね。わたしのイメージする時忠に比べると人間的に軽いというか・・。まあわたしの個人的な意見なんですけど、清盛を主人公にするならもっと時忠を悪人ぽくしても良かったのではとわたしは思いましたね。

源氏の悲哀を見せた小日向文世に岡田頼朝と神木義経、青木弁慶の豪華さ

平氏といえば、同じ武家の棟梁として宿命のライバルとして欠かせないのが源氏です。

もちろんこのドラマでも大きなカギを握る存在です。清盛の終生のライバルとして保元の乱では味方に、平治の乱では敵として戦う事となる源義朝には玉木宏さん。カッコよくも儚い悲運の源氏の頭領を演じましたね。はまり役でした。

そしてその父、源為義役には小日向文世さん。この小日向さんの演技がまた素晴らしいんだなぁ‥この頃の源氏の悲哀をこれでもかと表していて、それが物凄く心に突き刺さるのです。真田丸の豊臣秀吉とは180度違った小日向さんの演技は凄いとしか言いようがないですね。

平氏を滅ぼすこととなる源義朝の子であり兄弟でもある源頼朝には岡田将生、源義経には神木隆之介という若手きっての人気俳優を配置。武蔵坊弁慶には青木崇高を起用するという、これまた豪華布陣となっていますね。

源氏も平氏に劣らずキャラが濃いです(もちろんいい意味です笑)。個人的には登場回数は少なかったものの強烈なインパクトを残した「鎮西八郎」こと伝説の猛将・源為朝(橋本さとし)が良かったですねえ。橋本さんの為朝はまさに為朝のイメージそのままでした。

悪源太と呼ばれた源義平(波岡一喜)や、のちに源頼朝の側近・安達盛長となる藤九郎(塚本高史)、さらにはのちの北条執権体制の祖となったエンケン演じる北条時政(遠藤憲一)ももちろん存在感は満載でした。

うーん、やっぱり源氏もいいですな(笑)。

ハッキリ言って、清盛死去後をこの大河ドラマのメンバーでスピンオフ作品として源氏を主人公にやってほしいくらいです。主人公は頼朝か義経で。素晴らしい源氏ドラマになるでしょう。このドラマだけで終わらせるには本当にもったいないですよ・・

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藤原摂関家の頼長と忠実親子、阿部サダヲの信西ら曲者揃いの公家

源氏、平氏とくればこの家系も避けては通れませんね。摂関家の藤原氏です。

保元の乱の大きな要因となった藤原頼長役はあの山本耕史さん。白塗りの策略家はインパクト十分で、前半だけの出番でしたがMVP級の活躍でしたね。その父・藤原忠実役の國村準さんはもはや言わずもがなです。この親子は強烈でした。頼長の無残な最期と、そんな息子を見殺しにした忠実の咆哮は本当に魂が震えましたね。

摂関家以外の公家も曲者揃いでしたね。平治の乱の重要なカギを握るキーパーソンであった信西(しんぜい)には阿部サダヲさん。これまたきっちり爪痕を残す好演です。

その他の公家も藤原家成(佐藤二朗)、藤原信頼(塚地武雅)、藤原家保(渡辺哲)、藤原経宗(有薗芳記)、藤原成親(吉沢悠)などまさに怪優・怪演のオンパレードとなっています。

伊東四朗、三上博史、井浦新の三人は文句なしのMVP級演技

そして平氏のサクセスストーリーとして欠かせないのが、朝廷の天皇や上皇、法皇たちでしょう。これがまた素晴らしい俳優さんたちばかりなのです。

まずは清盛の父にして、清盛の母の敵でもある白河法皇(伊東四朗)。

そしてその白河院の後を継いだ鳥羽法皇(三上博史)。

その鳥羽法皇の子でありながら、島流しとなり不遇の人生を送った崇徳上皇(井浦新)。

この三名は紛れもなくこのドラマの格であり、肝であり、源氏や平氏をいとも簡単に食ってしまった主役級の素晴らしさでした。

とにかくこの三名に関しては詳細な説明は省きましょう。ドラマを見てもらえれば分かってもらえるはずです。

ただし、個人的に平清盛の最大の敵となる後白河法皇(松田翔太)に関してはやや物足りなさが残りましたね。他の源平物での後白河院のキャラがあまりにも強烈なものばかりでしたし、前述したこのドラマでの白河院、鳥羽院、崇徳院のキャラと演技が素晴らしすぎたが故に、後白河院にある意味ラスボスとしての凄味が感じられませんでしたね。そこだけが少し残念と言えば残念でしたね。

深キョンや武井咲、成海璃子、松雪泰子に松田聖子まで 敷居は高いが乗り越えてほしい面白さ

最後はこのドラマを彩ったキレイどころをご紹介しましょう。

まず本作のヒロインである平時子には深キョンこと深田恭子。時子の前妻であった明子役には加藤あい。後白河に嫁いで建春門院滋子となる滋子役には成海璃子、清盛の娘で安徳帝の母となる徳子役には二階堂ふみさん。

源氏では源義朝の妻・由良御前に田中麗奈、側室の常盤御前に武井咲、頼朝の妻で後に尼将軍と呼ばれることとなる北条政子に杏というこれまた豪華さ。キレイどころ満載ですなあ。

さらに朝廷関係では鳥羽院皇后の得子(なりこ)に松雪泰子、鳥羽院中宮の璋子(たまこ/演:檀れい)もため息が出るほどきれいでした。さらに白拍子の祇園女御(ぎおんにょうご)役で松田聖子さんも出演するというサプライズも話題になりましたね。

基本的に男性社会の中での平氏、源氏、朝廷の騒乱を描いたこのドラマですが、美しい女性とその華やかな着物などは大きな癒しであり、血生臭い政争の中にあってホッと一息つける場面でもあります。

とにかく、この平清盛という大河ドラマが低視聴率でしか語られない事が個人的には悔しくて仕方がないですね。それくらい過小評価されてしまっている大河ドラマだと思います。

これから見るという人には余計な先入観をなくしたうえで見ていただきたいと切に願いたいですね。ハッキリ言って、この時代のこの情勢を理解する、さらに人間関係やよく似た名前の人物の存在など、このドラマを楽しむための敷居はかなり高いです。ただしその敷居を踏み越えた時に待っているこの作品の真の素晴らしさは、是非一人でも多くの人に味わってほしいと切に願いますね。

ちなみに平清盛の低視聴率の原因を考察した記事もありますのでご参照ください。

[NHK大河ドラマ]平清盛が視聴率ワースト1位タイの理由 時代背景や日本人の源氏好き、平氏のイメージ等

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