2018大河は“西郷どん(せごどん)”・・スイーツ路線まっしぐらのNHK。タイトルといい脚本家の人選といい、もうね・・

ネットではにわかに注目されていた2018年のNHK大河ドラマが決まりました。

NHKの籾井勝人会長自らが発表したので正式決定です。

2018大河は林真理子原作、中園ミホ脚本の「西郷どん(せごどん)」。

期待して待っていた身としては、2018大河も嫌な予感しかしない結果となってしまいました・・

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「女性の視点」で描かれた大河ドラマ「西郷どん」・・またっすか?

2018大河のニュースソースについてはこちらを参照してください。

NHK18年大河は「西郷(せご)どん」…籾井会長「新たな西郷さん生み出したい」

籾井会長が会見で語っている中で大いに気になるのがこのコメントです。

「維新のヒーローとして活躍した西郷隆盛は男性からも女性からも慕われていました。今回は当代きっての女性クリエイター2人が手掛けます。女性の視点で繊細かつダイナミックに西郷さんを描いてくれると思います」

出ました、「女性の視点」。

このNHKの言う「女性の視点」で描いた大河ドラマのことを、主にネット上では「スイーツ大河」と呼びます。

スイーツ大河とは?21世紀のスイーツ大河一覧

「スイーツ大河」とは、スイーツのように甘ーい大河ドラマと言う意味です。言い換えればぬるーい大河ドラマと言ってもいいでしょう。ホームドラマ要素満載の大河ドラマですね。時代考証を無視した平和主義な大河ドラマであり、大河らしい骨太さがみじんも感じられない大河ドラマと言う意味です。そしてネットでは総じて評判の悪い大河ドラマです。

スイーツ大河と言う言葉自体がネットで生まれたスラングのようなものなのでハッキリとした定義は難しいのですが、まあニュアンスは伝わりますよね?

21世紀に入っての作品の中で「スイーツ大河」と呼ばれている大河ドラマは以下のとおりでしょうか。

2001年 北条時宗
2002年 利家とまつ~加賀百万石物語~
2006年 功名が辻
2008年 篤姫
2009年 天地人
2011年 江~姫たちの戦国~
2013年 八重の桜
2015年 花燃ゆ

まあ人それぞれにスイーツ認定基準があり、異論もあろうかと思いますが大体こんな感じだと思われます。

まあほぼ半数はスイーツ路線だという事です。

とはいえ、「北条時宗」の序盤、特に北条時頼役の渡辺謙が死ぬ前や、「八重の桜」の会津戦争辺りまではスイーツと呼ぶにはかわいそうな良作であったと個人的には思いますけどね。

しかし後は・・まあいわゆる「スイーツ」だと思います。

ちなみに厳しい人はこれらに加えて「龍馬伝」や「軍師官兵衛」もスイーツだとする論もありますね。個人的にはこの2つはまあ近年ではまだいい方だと思うんですけどね(あくまで“近年では”の話です汗)。

あ、ちなみに来年の大河ドラマである「おんな城主直虎」も、ネットでは早くもスイーツ認定されています。放送始まる前なんですけどね(苦笑)。

スイーツ大河と呼ばれるもののほとんどは女性脚本家の作品

まあ確かに上記した「スイーツ大河」と呼ばれている大河ドラマの数々は、わたしが観てきた大河ドラマの中でも個人的にベスト10に入る作品は残念ながらありません。昔から大河ドラマを見ている人ほど人気は無いという傾向ですね。

そしてこれら「スイーツ大河」と呼ばれている大河ドラマにおける共通点が脚本家です。以下のデータをご覧ください。

タイトル    脚本家

北条時宗    井上由美子
利家とまつ   竹山洋
功名が辻    大石静
篤姫      田渕久美子
天地人     小松江里子
江       田渕久美子
八重の桜    山本むつみ・吉澤智子・三浦有為子
花燃ゆ     大島里美・宮村優子・金子ありさ・小松江里子

「利家とまつ」以外は見事なまでに女性脚本家なんですよね。

2018大河の脚本家は中園ミホ氏。そして前述した籾井会長の「女性視点」発言。まあ、ネットで「スイーツ大河」認定されるのもやむなしと言う感じですかね。しかも原作も女性の林真理子さんですからね。

司馬遼太郎原作の「功名が辻」に見る原作の改悪

とはいえ、原作よりもやはり重要なのは脚本家だと個人的には思っています。いくら原作が素晴らしくても脚本次第で作品はいかようにも変わってしまいますから。

その代表的な事例が「功名が辻」でしょう。

原作はあの昭和を代表する大作家・司馬遼太郎。わたしも功名が辻は大河化される前に原作を読みましたが、実に面白い作品でした。大河ドラマ化されると決まった時には久々の司馬作品という事で期待に胸を高鳴らせたものです。

しかし蓋を開けてみれば・・期待していただけに本当にガッカリしたのを昨日のように覚えていますね(遠い目)

タッチが軽妙になっていたのはある程度予想していましたし織り込み済みだったので批判しようとは思いません。

ただ最悪だったのは主人公である千代のキャラ改悪。千代は大河ドラマで「反戦思想の平和主義者」へと変貌してしまったのです。現代において「反戦思想の平和主義者」は当たり前であり、何の違和感もありません。ただし、「功名が辻」の舞台は常に戦乱が続いている戦国時代です。戦は既に生活の一部と言ってもいいほど身近にあり、この時代の武士の仕事は戦なのです。戦で手柄を立てる事によって立身出世を果たしていった時代なのです。そんな世の中に「戦はいけません」というのはどうなのでしょう。

確かに、「戦は嫌だなあ。戦が無ければいいのになあ」くらいは考えていたかもしれませんが、「戦はダメです。人殺しはなりませぬ」と女性が現代のような反戦平和主義を持っているというのには正直辟易してしまいましたね。

それでもこの「功名が辻」ではそんな思いを胸に秘めて夫を送り出しているのでまだいいのかもしれません。もっとひどいのは沢山ありますからね。実際、功名が辻はこの主人公のキャラ変を除けばそれなりに骨太な部部分もありましたし、言うほどスイーツでもないという意見をお持ちの方も多いでしょうし。れ

とにかく、原作が骨太であっても脚本によってスイーツと変貌してしまう事もあるという事ですね。

優れた脚本家である「西郷どん」の中園ミホ氏

そう考えれば、「西郷どん」も脚本家が男性であるか、女性であっても内館牧子氏や小山内美江子氏のような脚本家であれば期待も出来るのですが、中園ミホさんという事で、骨太大河はちょっと厳しいかなと言わざるを得ませんね。

中園さんの手掛けた作品と言えば、NHKでは2014年の朝の連続テレビ小説「花子とアン」や「トットてれび」、米倉涼子の人気シリーズである「ドクターX」シリーズ、少し前ならば「やまとなでしこ」や「不機嫌な果実」が有名ですね。

誤解の無いよう言っておきますが、わたしは中園ミホさんの作品は嫌いではありません。「トットてれび」や「やまとなでしこ」は素晴らしいドラマでした。実に才能に溢れた優れた脚本家だと思います。

しかし大河ドラマではという視点でどうか?と思うのです。

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「女性視点」の意味をはき違えている?NHK

「女性視点」という考え方をどうもNHKは勘違いしているふしがあると思うのはわたしだけでしょうか。

例えば今年の「真田丸」。ここ最近では2007年の「風林火山」、2012年の「平清盛」に続く、昔からの大河ドラマの王道的ドラマだと思っています。ちなみにうちの妻はこの3作は大河の中でも好きな作品だと言っています。大河ファンであるうちの母も同じです。

大河の王道でも女性ファンは面白ければ見てくれると思うのです。

女性視点=甘くてゆるいホームドラマ

とNHKは考えているようにわたしには思えます。もしNHKがそう考えているのだとしたら、女性視点の大河ドラマなんて辞めちまえ!!と声を大にして言いたいですね。ホームドラマだったら朝の連続テレビ小説でやりなはれ!と。

大河ドラマらしい大河ドラマであり、内容が秀逸で面白ければ視聴者はついてくるはずです。視聴者の多くが大河ドラマに求めているものが何なのか、もう一度NHKには思い出してほしいですね。

タイトル「西郷どん(せごどん)」から感じる嫌な予感

頭に血が上りついでにもう一つ言わせてください(苦笑)。

タイトルの「西郷どん(せごどん)」についてです。

確かに史実では西郷隆盛は薩摩で「せごどん」と呼ばれていました。しかしこのタイトルに嫌な予感がするのも事実です。

どうもポップすぎるんですよね(笑)。西郷隆盛を身近な存在として親しみやすい人物として描こうという意図がビンビンに伝わってくるんですよね。

ご存知の通り、西郷隆盛と言えば維新三傑の一人であり、地元鹿児島県では英雄中の英雄です。幕末を代表する偉人でもあります。

維新回天の立役者となった薩摩・長州・土佐の中でも薩摩藩は一際男受けする硬派な人物が多いです。西郷隆盛はそんな薩摩を代表する人物。当然その西郷隆盛を描いてきたこれまでの作品も硬派な作品が圧倒的に多いです。

そんな西郷さんを親しみやすく描こうではないかと恐らくNHKはテーマとして考えているのでしょう。それゆえのタイトル「西郷どん」なのだと思いますね。

なんか嫌な予感しかしないのです。この路線で大失敗した「花燃ゆ」という例をわずか1年前に見ているだけに・・ね。

もうNHKは「翔ぶが如く」のような大河ドラマは作れないのでしょうか。それとも作る気がないのでしょうか。近年の大河ドラマのテイストには、かつての名作の数々を知っている人ほど寂しくなってしまうのが現状なのではないでしょうか。

総括 決まってしまったものはしゃーない(笑)

とまあ、西郷どんに対するというよりも、近年の大河ドラマに対するうっ憤を思うがままに書き連ねてみました(汗)。

意見の相違も多々あるでしょうが、懐古厨の戯言だと思って聞き流してください。

くれぐれも言っておきますが、女性脚本家がダメだと言っているわけではありません。女性脚本家の中にも大河ドラマで素晴らしい作品を残している方はいらっしゃいます。大河ドラマ以外で素晴らしい作品を残している女性脚本家も星の数ほどいます。

NHKの意図する大河ドラマの方向性が間違っているのが一番の問題なのです。脚本家にも当然個性があり、大河向きかそうではないかというのは当然あります。他のドラマで当たっている脚本家を起用すればいいという安易な人選が透けて見えてしまうのです。

とは言ってもすでに決まってしまった再来年の大河ドラマ。思いっきりポジティブに考えを切り替えて、薩摩の英雄、日本の英雄としての西郷隆盛が描かれる傑作となる事を祈る事とします。

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