九州の戦国大名はなぜ大河ドラマ主役になれない?島津四兄弟、立花宗茂、加藤清正など名将だらけなのに

2018年の大河ドラマが林真理子氏原作の「西郷どん」に決まったと先日発表したNHK。

幕末薩摩を主人公として描いたドラマは1990年の「翔ぶが如く」以来実に28年ぶりとなります。

一般的に大河ドラマというのは、舞台となった地方にとっては「町おこし」としての側面が大きく、大河ドラマの舞台に設定された地域は、観光客の増加などによる地場産業の活性化が大いに期待できる事でも有名です。

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真田丸でも登場した熊本城を築いた加藤清正大河主役への署名活動

「町おこし」として我が町の偉人たちを是非大河ドラマの主人公に!という嘆願は各地で定期的にNHKに届けられており、そんなニュースが話題になる事もしばしばです。

そしてこんなニュースを見つけました。

加藤清正公を「大河」主人公に NHKに署名提出

熊本城を築いた戦国時代を代表する猛将・加藤清正を大河主人公にという地元からの嘆願書提出のニュースです。これが何と7度目の提出というから驚きですよね。

2016年の大河ドラマ「真田丸」では新井浩文さんが演じて好評を博したように、加藤清正という武将は頻繁に大河ドラマに出演する人物なのですが、これまで大河ドラマの主役になった事は一度もありません。

豊臣秀吉の母・なか(大政所)と清正の母が親戚という事で幼少時から秀吉に目をかけられ、秀吉の天下取りの節目となった賤ヶ岳の戦いにおいては大活躍をして「賤ヶ岳七本槍」と呼ばれます。その後は大名として熊本を治め、「文禄・慶長の役」では獅子奮迅の働きをして「虎退治」の伝説を作り、関ヶ原以後は若き豊臣家の二代目・豊臣秀頼のために働いたという、見せ場が多くて華もあるいかにも大河ドラマ向きの人物ですね。同じく肥後(熊本)の領主として清正とライバル関係にあった小西行長との関係に焦点を当てたものでも面白いかもしれませんね。

清正を主人公にすれば、秀吉、家康はもちろんのこと、戦国時代の有名武将たちをほぼくまなく出演させることも出来るという、非常に大河ドラマ的にはうってつけの人物なのではないでしょうか。

九州の覇者・島津義久、義弘、歳久、家久の四兄弟を輩出した島津家

加藤清正は当然大河ドラマの主人公になっても全くおかしくない程の有名人なのですが、清正以外にも九州には大河ドラマの主人公として選ばれてもおかしくはない有名な戦国武将の宝庫です。

例えば、幕末物では薩摩藩として二度も主人公を輩出している鹿児島県。鹿児島県と言えば島津ですよね。しかしこの島津家も一度も大河ドラマ主人公になっていません。

戦国時代の島津家といえば、関ヶ原の戦いの敵軍中央突破で有名な島津義弘をはじめとする島津四兄弟(義久、義弘、歳久、家久)があまりにも有名です。この4人はそれぞれ一人一人を大河ドラマ主人公に据えてもおかしくない程のドラマチックな人生を歩んでいますので誰かをピックアップしてもいいですし、島津四兄弟の群像劇風にしてもいいですよね。どちらにしても1年間で描き切れない程のエピソードや見せ場満載なのは間違いありません。

特に「文禄・慶長の役」で敵軍を恐れさせた島津軍の圧倒的強さや前述した関ヶ原での敵軍突破、さらには大友・龍造寺との九州三国志と呼ばれる激戦の数々、そして島津家三男・歳久の非業の死などはまさに大河ドラマという題材にピッタリだと思うのですが・・

西郷隆盛は今でも鹿児島ではヒーローとして熱烈な支持を受けている偉人ですが、鹿児島県の人たちからしてみれば、島津家も一度は大河ドラマの主役にと思っている方々も多いのではないでしょうか。

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立花道雪、高橋紹運を父に持ち、誾千代を妻に持つ立花宗茂の波乱万丈の人生

加藤清正、島津四兄弟とともに大河ドラマ主人公として是非とも取り上げてほしいのが、筑後柳川藩の藩主である立花宗茂です。

歴史ファンには圧倒的な知名度と人気を誇るこの名将・立花宗茂ですが、一般的な知名度はその功績に比べると驚くほど低いと言わざるを得ません。

この立花宗茂という人物こそ波乱万丈という言葉の似合う人生を送った人物も珍しいでしょう。

父は大友家の名将・高橋紹運(たかはしじょううん/吉弘鎮理・高橋鎮種)であり、義父はあの「雷神の化身」と称される猛将・立花道雪。さらに妻には戦国時代の女武将として有名な誾千代(ぎんちよ)。

もうこれだけで素晴らしいドラマとなる事は確定です。書いてるだけでワクワクしてきますわ(笑

大友家臣として紹運と共に育ち、立花道雪の娘・誾千代と結婚して立花道雪の婿養子となって斜陽の大友家のために奮戦します。岩屋城の戦いでは父・紹運が島津の北上を食い止めるために一兵残らず討ち死にするという壮絶な戦死を果たし、宗茂も絶体絶命のピンチの中で立花山城に籠って島津家を食い止めます。そして豊臣家の援軍が来るまで島津の大軍を相手に奮戦するのです。

豊臣軍来襲によって島津は撤兵し、宗茂は秀吉によって大名として取り立てられます。その後は「文禄・慶長の役」で大活躍し、関ヶ原の戦いでは豊臣家への恩義を貫いて西軍に味方します。

しかし西軍は敗れ、石田三成に加担した罪で宗茂は領地を没収されて立花宗茂は浪人の身となります。そしてその後徳川家臣として大名に復帰したのです。

まさに波乱万丈の人生ですよね。これほど大河の主人公に相応しい人物は他にないと言ってもいいほどです。なんでやんないかなあ(苦笑

「文禄・慶長の役」で大活躍したから大河ドラマの主人公になれないの?

まあ冒頭に書いたように、大河ドラマの誘致の嘆願というのは全国各地からNHKに寄せられており、1年に一本しか作れないというロングスパンの作品なので順番待ちもあるとは思うのですが、加藤清正、島津四兄弟、立花宗茂あたりの九州戦国大名たちが一度も大河ドラマ主人公に取り上げられていないというのは不思議という他有りません。

2014年の「軍師官兵衛」でやったじゃないかという意見もあるかもしれませんが、官兵衛はどっちかというと播磨の人物というイメージが強いんですよね。黒田家と言われれば福岡のイメージはあるのですが、官兵衛は播磨時代の秀吉家臣時代の活躍がメインですからね。息子の黒田長政だったらもっと九州っぽくなるんですけど。

とにかく加藤清正、立花宗茂、島津四兄弟、これらの人物たちの大河作品というのは、九州の人たちに限らず全国の歴史ファンが心待ちにしていると思います。是非ともNHKには真剣に考えてもらいたいですね。

ただ気になるのが、この3者の共通項です。ここまで読んでいただいた方はピンと来ているかもしれません。

そう、三者とも「文禄・慶長の役」で大活躍している人たちなのです。豊臣秀吉による朝鮮出兵、唐入りですね。

ネットなどでは、九州の戦国大名が大河主役に取り上げられない大きな要因は、「文禄・慶長の役」で活躍した武将を主人公としてドラマを作る事によって各方面から抗議されたり軋轢が生じるのを恐れてなのではないかという憶測が根強く囁かれています。

もちろんこれはあくまで憶測にすぎません。すぎませんが、これだけ九州の有名武将達が大河ドラマで冷遇されているのを考えると、「そうなのでは?」と勘ぐられても致し方ないような気もします。そして万が一そのような理由のために島津や清正、宗茂らが大河ドラマから敬遠されているとすれば、それはあまりにも彼らが気の毒であるのと同時に、歴史ファンにとってもNHKにとっても大きな損失であると思います。

そんな声を払しょくするためにも是非九州の猛将たちの熱き人生を大河ドラマとして取り上げてもらいたいものですね。

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