[NHK大河ドラマ]歌舞伎俳優主演作品一覧➀「花の生涯」~「黄金の日日」まで梨園のスターが主人公に

1963年(昭和38年)に第1作目の「花の生涯」で幕を開けて以来、半世紀以上の歴史を誇るNHK大河ドラマ。

そんな大河ドラマでは幾多の名優が主演してきましたが、中でも歌舞伎界の世界からの主役抜擢も数多く行われ、多くの作品でその素晴らしい演技を目にすることが出来るのも大きな特色の一つと言えるでしょう。

そこでここでは、歴代の大河ドラマ主演俳優の中で歌舞伎界出身の俳優さんとそのドラマを作品順ご紹介していきたいと思います。

スポンサーリンク



第1作「花の生涯(1963年)」主演:尾上松緑(二代目)

作品データ
放送期間 :1963年4月7日~12月29日
放送回数 :全39話
音   楽:冨田勲
原   作:舟橋聖一
脚   本:北条誠
主   演:二代目 尾上松緑
主 人 公:井伊直弼
時   代:江戸時代(幕末)
最高視聴率:32.3%
平均視聴率:20.2%

主演俳優データ
名  前:二代目 尾上松緑(おのえしょうろく)
襲名歴 :松本豊
     二代目 尾上松緑
本  名:藤間豊
生年月日:1913年(大正2年)3月28日
没年月日:1989年(平成元年)6月25日(満76歳没)

記念すべき第1作目からいきなり二代目・尾上松緑さんが主演されました。七代目・松本幸四郎さんを父に持つ名優です。兄には十一代目 市川團十郎さんと初代 松本白鴎さんがいらっしゃいます。十二代目 市川團十郎さんや二代目 松本白鴎さん、二代目 中村吉右衛門さんの叔父さんというわけですね。十一代目市川海老蔵さんや十代目松本幸四郎さん、松たか子さんの大叔父という血縁関係となります。いやはや、凄い血統です。この記事を読んでいただいていればすぐ後で分かる事ですが、この血統は大河ドラマにおいてもなくてはならない存在でもあります。

それにしても、大河ドラマ第1作目が歴史的には悪役イメージの強い井伊直弼というところが本当に凄いと思います。攻めてますよねえ、NHKさん。

なお、この尾上松緑さんのお孫さんもこの後大河ドラマ主人公を演じられる事となるのですが、それはまた後程…

第2作「赤穂浪士(1964年)」主演:長谷川一夫

作品データ
放送期間 :1964年1月5日~12月27日
放送回数 :全52話
音   楽:芥川也寸志
原   作:大佛次郎
脚   本:村上元三
主   演:長谷川一夫
主 人 公:大石内蔵助
時   代:江戸時代(元禄年間)
最高視聴率:53.0%
平均視聴率:31.9%

主演俳優データ
名  前:長谷川一夫(はせがわかずお)
本  名:同じ
生年月日:1908年(明治41年)2月27日
没年月日:1984年(昭和59年)4月6日(満76歳没)

戦前から戦後にかけての映画全盛期に二枚目スターとして大活躍し、死後には俳優として初めて国民栄誉賞にも輝いた長谷川一夫さんが第2作目の「赤穂浪士」で主役を演じました。このドラマは第47話「討入り」で現在も最高視聴率回として記録に残る視聴率53%を記録する等、大河ドラマの人気を決定付けた名作中の名作と言われています。

松竹の看板俳優としての映画スターのイメージがあまりに強い長谷川一夫さんですが、映画界入りする前は上方歌舞伎界の大御所・初代中村鴈治郎門下で女形を務めていた、れっきとした歌舞伎出身の俳優さんです。

しかし芥川也寸志氏作曲のこのオープニングは何度聴いても心を揺さぶられます。まさに日本人の琴線に触れる名曲ですね。

スポンサーリンク



第4作「源義経(1966年)」主演:尾上菊之助(四代目)

作品データ
放送期間 :1966年1月2日~12月25日
放送回数 :全52話
音   楽:武満徹
原作・脚本:村上元三
主   演:七代目 尾上菊之助
主 人 公:源義経
時   代:平安末期~鎌倉初期(源平争乱期)
最高視聴率:32.5%
平均視聴率:23.5%

主演俳優データ
名  前:四代目 尾上菊之助(おのえきくのすけ)
襲名歴 :五代目 尾上丑之助
     四代目 尾上菊之助
     七代目 尾上菊五郎
本  名:寺島秀幸
生年月日:1942年(昭和17年)10月20日

当時の23歳での大河ドラマ主演というのは長い間史上最年少主演記録だった、この「源義経」での四代目尾上菊之助(現:七代目尾上菊五郎)さん。

なお、奥様の富司純子さん(当時の芸名は藤純子)とはこのドラマでの共演が縁となって後に結婚、寺島しのぶさんと五代目尾上菊之助さんを儲けられました。なお、劇中での藤さんの役柄は主人公と恋に落ちる白拍子の静御前でした。まさに美男美女ですねえ。

主演の菊之助さんはこの後、「樅の木は残った」「獅子の時代」「琉球の風」と3作品に出演された他、妻の富司純子さんや娘の寺島しのぶさん、長男の七代目菊之助さんも大河ドラマに何作も出演されています。まさに大河に欠かせない一家といえますね。

第9作「春の坂道(1971年)」主演:中村錦之助(初代)

作品データ
放送期間 :1966年1月2日~12月25日
放送回数 :全52話
音   楽:武満徹
原   作:山岡荘八
脚   本:杉山義法
主   演:初代 中村錦之助
主 人 公:柳生但馬守宗矩
時   代:安土桃山~江戸初期
最高視聴率:27.5%
平均視聴率:21.7%

主演俳優データ
名  前:初代 中村錦之助(なかむらきんのすけ)
襲名歴 :初代 中村錦之助
     萬屋錦之介
本  名:小川錦一
生年月日:1932年(昭和7年)11月20日
没年月日:1997年(平成9年)3月10日(満64歳没)

“よろきん”の愛称で人気を博した、往年の時代劇スター・萬屋錦之介さん。錦之介さんら小川家の一門が播磨屋を抜けて萬屋という屋号を使い始めて萬屋錦之介に改名する前の「中村錦之助」時代に主演したのがこの「春の坂道」。錦之介さんが演じたのが、柳生但馬として時代劇では有名な柳生宗矩。時には時代劇で悪役で描かれる事も多い柳生宗矩の人生を描いた大河ドラマです。

前述したように、「よろきん」萬屋錦之介として映画やテレビの時代劇で大活躍というイメージの強い萬屋さんだけに歌舞伎役者といわれてもイマイチピンとこない人も多いかもしれません。しかしれっきとした歌舞伎俳優であり、中村錦之助という名跡は現在は甥である二代目が継いでいますし、甥には中村獅童さんもいらっしゃいます。

スポンサーリンク



第15作「花神(1977年)」主演:中村梅之助(四代目)

作品データ
放送期間 :1977年1月2日~12月25日
放送回数 :全52話
音   楽:林光
原   作:司馬遼太郎
脚   本:大野靖子
主   演:四代目 中村梅之助
主 人 公:大村益次郎(村田蔵六)
時   代:江戸時代(幕末)~明治初期
最高視聴率:25.9%
平均視聴率:19.0%

主演俳優データ
名  前:四代目 中村梅之助(なかむらうめのすけ)
襲名歴 :四代目 中村梅之助
本  名:三井鐵男(みついてつお)
生年月日:1930年(昭和5年)2月18日
没年月日:2016年(平成28年)1月18日(満85歳没)

視聴率としては決して高くは無かったものの、当時をリアルタイムで見ていた大河ドラマファンからの評価はすこぶる高いこの「花神(かしん)」。その原動力ともいえるのが、原作者の司馬遼太郎氏も絶賛したという、主人公・大村益次郎を演じたこの中村梅之助さんの演技でしょう。わたしは総集編でしか見た事のない世代ですが、それでも梅之助さんの益次郎はその憑依力など、凄いとしか言いようがないと思いますね。

梅之助さんはこの作品以外にも「天と地と」「峠の群像」「元禄繚乱」「八重の桜」に出演されています。準大河ドラマに位置づけされる新大型時代劇の「真田太平記」での徳川家康役も素晴らしかったですね。。歌舞伎役者さんの中では出演の多い俳優さんでした。中でも「天と地と」「峠の群像」「真田太平記」では長男の二代目中村梅雀さんと共演されています。梅雀さんはお父さん以上の11作品の大河に出演されている常連さんです。親子そろって大河の歴史を築かれてきた重鎮ですね。

第16作「黄金の日日(1978年)」主演:市川染五郎(六代目)

作品データ
放送期間 :1978年1月8日~12月24日
放送回数 :全51話
音   楽:池辺晋一郎
原   作:城山三郎
脚   本:市川森一・長坂秀佳
主   演:六代目 市川染五郎
主 人 公:呂栄助左衛門(納屋助左衛門)
時   代:安土桃山~江戸初期
最高視聴率:34.4%
平均視聴率:25.9%

主演俳優データ
名  前:六代目 市川染五郎(いちかわそめごろう)
襲名歴 :二代目 松本金太郎
     六代目 市川染五郎
     九代目 松本幸四郎
     二代目 松本白鴎
本  名:藤間昭暁(ふじまてるあき)
生年月日:1942年(昭和17年)8月19日

現在の松本白鴎さんの若かりし日、まだ市川染五郎時代に主演された大河作品がこの「黄金の日日」です。“大河オタク”を自称する人気脚本家、三谷幸喜氏をして「最もハマった大河ドラマ」といわしめた名作中の名作です。

このドラマは全話完全版のDVDも発売されており、わたしも全話を視聴しましたが面白かったですね。とても40年前の作品とは思えない程に新鮮で引き込まれます。大河ドラマの底力を思い知らされる素晴らしい作品です。駆け出しの納屋番だった助左から、天下人と相対する貿易商人となった助左までを当時36歳だった市川染五郎さんが見事に演じられました。

なお、染五郎さんの長男である藤間照薫(ふじまてるまさ)君も弱冠5歳ながら少年助左として堂々の親子共演を果たしています。藤間照薫、現在の十代目松本幸四郎さんですね。

 

 

この続き、「山河燃ゆ」以降の歌舞伎俳優主演作については以下の記事でご覧ください。

[NHK大河ドラマ]歌舞伎俳優主演作品一覧②

関連コンテンツ(PR)

スポンサーリンク

コメントを残す

このページの先頭へ