2015大河ドラマ「花燃ゆ」終了 視聴率は歴代最低を記録 個人的反省会をしてみた

2015年の大河ドラマ「花燃ゆ」が昨日12月13日に最終回を迎えました。

幕末~明治初期を舞台に、長州藩士・吉田寅次郎(松陰)の妹・文(後に美和となる)を主人公として描いたNHK大河ドラマの第54作目です。序盤は松陰と松下村塾の塾生たち、久坂玄瑞、高杉晋作、吉田稔麿、伊藤博文などの活躍とそれを見守る文を中心に描き、中盤は奥御殿に入っての藩主の長男の守役としての物語、そして終盤には再婚した楫取素彦の妻として赴いた群馬での出来事を中心に描いてあります。大河ドラマ32作目の「炎立つ」のような150年にもわたる3部作ではないですが、さながらプチ3部作といったところでしょうか(笑)

この「花燃ゆ」ですが、視聴率は初回16.7%という歴代ワースト3位というスタートで、その後も視聴率は低迷し、年間の平均視聴率では2012年の「平清盛」を下回るワースト記録という不名誉な記録を打ち立ててしまいました。

大河ドラマ迷走作品?「炎立つ」と「花の乱」は名作中の名作です 視聴率悪かったからって見ないと損しますよ」の中でも触れていますが、自分は視聴率の良し悪しは全く気にしていません。大河ドラマの場合は特に。むしろ視聴率が低迷した作品の方が面白い作品が多いくらいです。この「花燃ゆ」に抜かれるまで最低視聴率だった「平清盛」も実に面白い作品だったと思っています。

では、この「花燃ゆ」の場合はどうだったか?と言われると、「期待外れだった」と言わざるを得ません。

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無理矢理感が満載の主人公

わたしは歴史の中でも幕末は特に好きで、しかも根っからの長州好きです。中でも松陰とその門下生たちはまさに維新回天の立役者でもあり、思い入れが強い偉人たちです。大河ドラマで長州が主役として取り上げられるのは1977年の「花神」以来、実に38年ぶりという事で本当に楽しみにしていました。悲願と言ってもいいかもしれません(笑)

それだけに期待外れだったのは残念でなりません。しかし、吉田松陰の妹が主人公という時点である程度予想はしていました。特に明治になってからは朝ドラに近いライトな感じのドラマになるんだろうなと。まあ予想通りでしたが(苦笑)

吉田松陰をはじめ桂小五郎、大村益次郎、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山縣有朋・・・これだけタレント揃いの幕末長州にあって、なんであえてほぼ無名の松陰の妹を主役に据えなければならなかったのでしょう。確かに松陰や高杉、久坂は短命であり、主役に据えても1年という長いスパンで描くのは厳しいのかもしれません。しかし、それならば「花神」のように長州の人物たちの群像劇にした方がいいです。「花神」の主役は一応大村益次郎ですが、実際には松陰、高杉、大村のトリプル主役と言ってもいい作品です。それぞれの明治維新に向かっての命がけの人生を描く名作です。こんないいお手本があるのにもったいない・・・と思ってしまいますね。

このドラマの初期に用いられていたキャッチフレーズが「幕末版男はつらいよ」「幕末男子の育て方」「イケメン大河」などというのがあったのですが、もう絶句するしかないですね。このキャッチフレーズだけで見る気を失くしてしまった大河ドラマファンが多かったのは容易に想像できますね。結果として昔からの大河ファンから見放され、メインターゲットだったライト層も獲得できなかったのですから大失敗と言ってもいいでしょう。何度も言いますが、魅力的な人物や逸話の宝庫である長州の物語だけに本当にもったいない事です。

ここ数年の大河ドラマは主人公が男性と女性で1年おきに変わっています。これはそういう内部規約でも出来たんでしょうかね、NHKの中で(笑)男尊女卑の色合いの強かった昔の日本において、大河で取り上げられるほどの活躍をした女性が歴史上何人いるでしょうか。無理矢理女性を主人公に持って来ようとするから今年の大河のような失敗が起きるんだと思います。反省点として今後に生かしていってもらいたいですね。

ただ誤解しないでほしいのは、女性主人公の大河ドラマが駄目だと言っているのではないという事です。「花の乱」などは大好きな大河ドラマですし。ただ、今のNHKは女性主人公を無理やり持ってくる感が半端ないということですw


吉田松陰の描き方が雑すぎる

吉田松陰という人物は、明治期まで生きていれば西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允(桂小五郎)のいわゆる維新三傑に間違いなく割って入っていた程の人物だと思います。そんな松陰の描写の雑さも大いに気になった点のひとつです。

序盤の松陰は脱藩や密航などの罪を犯して牢に入ったり蟄居(外出禁止)させられたりで、家族にも多大な迷惑をかけました。そこはしっかり描かれています。しかし、松陰が何故そのような大それたことをしたのかという、松陰の思想面や行動原理などの説明が不足していたように思います。松陰という人物を良く知らない人にとって見れば、家族に迷惑をかける厄介者といった印象を持った人も少なくないのではないでしょうか。特に最初の脱藩などは脱藩に至る松陰の内面に関する描写がほとんどなく、ただのわがまま男という印象を与えてしまっていると思います。そんな松陰の行動によって苦難の道を歩まされる家族たちの事はしっかり描かれている分なおさらですね。

飛耳長目、草莽崛起と言った松陰の残した名言や思想からもわかるように、彼にはしっかりとした憂国の想いがあり、それに従って行動した、まさに「国士」としての一面をあまりに疎かにしてしまっている気がしてなりませんでした(確かに松陰にはエキセントリックな面があるのは否定しませんがw)。

そしてもう一つ。

刑場での松陰の処刑シーンを回想シーン的なもので済ませてしまったのも不満でしたね。まあこれは、今の大河だったら描かないだろうとは思ってましたが(苦笑)。こういう描写を避けるのはやはり抗議があるからなんでしょうか。刑場での斬首前の松陰の堂々とした態度は、介錯を務めた山田浅右衛門(通称・首切り浅右衛門)も後世まで語り継いでいるほどの立派な最後です。こんな名シーンをダイジェスト的に描いてしまうとは・・・。描くべきところは描きましょうよ、NHKさん。逃げずに真っ向から歴史の真実を視聴者に伝えましょう。

このドラマで松陰を演じた伊勢谷友介さんはビジュアル的にも松陰役にハマっていただけに脚本や演出が本当に残念です。

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オープニング曲は神

はい、オープニングは鳥肌ものです。

川井憲次さんの曲なのですが、何度聴いても鳥肌が立つほどの名曲です。

まさに松陰や村塾の門下生たち、そして長州人の熱き魂を表現するのにピッタリな神曲ですね。是非川井さんには大河の曲をこれからも手掛けてもらいたいですね。

他の川井さんの曲で個人的に好きなのは2012年公開のアニメ映画「009 RE:CYBORG」のエンディング曲です。この曲で川井さんを初めて知ったので大河のOPを手掛けると知って楽しみだったのですが、あっさりと期待のはるか上をいく神曲を作ってくれちゃいましたね(笑)さすがとしかいいようがないです。

 

好き勝手書きましたが、主演の井上真央さんを始めとする役者さんたちはしっかりと演じていたと思います。特に井上さんの持つ天性の明るさというか嫌味の無い女性像のようなものに多分に救われていたのではと感じます。もし主演が井上真央さんでなかったら、このドラマはもっと悲惨な結果になっていたのではないでしょうか。1年間、本当にお疲れさまでしたと言いたいですね。

そして来年はいよいよ三谷幸喜の「真田丸」が始まります。

歴史オタクの三谷氏の歴史に対する知識やこだわり、そして何より三谷氏自身が熱狂的な大河ドラマファンである事に大いに期待しています。

「新選組!」は素晴らしい出来でした。何度泣かせてもらった事か・・・。

大河ファンの三谷氏には、大河ファンをうならせてくれるような作品を必ず作ってくれると心から信じています。

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