リオオリンピック感動の歴史的名場面ベスト5!日本を代表するアスリートたちが魅せた魂の戦いとは?

数々の感動と名場面を残して閉幕した2016リオデジャネイロオリンピック。

日本は金メダル12、銀メダル8、銅メダル21で前回ロンドン五輪の37個を上回る史上最多となる41個のメダルを獲得。

メダルの数も素晴らしかったのですが、それ以上に感動的な名場面を数多く残してくれました。

そこで独断と偏見による(苦笑)、リオ五輪個人的感動名場面ベスト5を選んでみたいと思います。

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第5位 伊調馨、登坂絵莉、土性沙羅、女子レスリング8・18の奇跡

日本時間の8月18日は女子レスリングの開幕日。金メダル量産が期待される女子レスリングは、大会前の目標を6階級全てでのメダル獲得と定めていました。

そして女子レスリング開幕日には48kg級で登坂絵莉(とうさかえり)、58kg級で伊調馨(いちょうかおり)、69kg級で土性沙羅(どしょうさら)が登場。

登坂絵莉、土性沙羅はオリンピック初出場とは思えない試合運びで次々と勝ち上がり、比較的余裕のある勝ち方で決勝へ進出。女子選手史上初のオリンピック4連覇を狙う伊調馨は準々決勝のエリフジャレ・エシリルマク(トルコ)戦で苦戦したものの、それ以外は貫録ともいえる勝ち方で決勝へと駒を進めました。

三人の先陣を切って決勝のマットに上がったのは、48kg級の登坂絵莉。相手は登坂の最大のライバルであり、優勝候補のスタドニク(アゼルバイジャン)。

試合はスタドニクが小刻みにポイントを重ね、1-2と登坂がリードを許したまま試合終了まで残り15秒となります。厳しいかと誰もが思っていたその瞬間、登坂絵莉選手は逃げ切りに徹し守りに入っていたスタドニクの右足に果敢に片足タックルを仕掛けます。片足を掴まれ何とか逃げようとするスタドニク。しかし登坂は逃しません。試合終了が近づいていく中、登坂の執念がスタドニクの逃げ切りを阻止します。バックに回って2ポイントを追加、ついにスタドニクを3-2と逆転するのです。その残り時間、なんとわずか4秒。スコアはそのままで6分が経過、登坂絵莉選手がオリンピック初出場で金メダルを獲得しました。

登坂絵莉に続いてマットに現れたのが、絶対女王・伊調馨。決勝の相手はロシアのコブロワゾロボワ。

試合は伊調が1ポイント先行するものの、2分過ぎにバックを取られて1-2と逆転されます。試合はこのスコアのまま後半戦へ。膠着状態が続く中、試合時間は残り30秒。後がない伊調はここで片足タックルを仕掛けますが、相手はそれを交わして逆に伊調の足を取りに行きます。ここでポイントを取られれば試合が決まるという状況で足を取られた伊調ですが、ここからが女王の本領発揮。足を取られながら相手のバックを狙います。世界一とも言われる防御技術で足を取られながら相手のサイドに回り込み、逆転を狙いバックを取ろうと試みます。相手は伊調の片足を掴んでバックに回り込まれないよう粘ります。

刻々と時間が過ぎていく中、伊調は相手の掴んでいた右足を抜き、バックに回り込みます。2ポイントを追加してスコアは3-2。残り時間はわずか6秒。試合はこのままタイムアップ。伊調は前人未到のオリンピック4連覇を成し遂げたのです。

そして最後にマットに上がったのが、69kg級の土性沙羅。伊調、登坂が本命と言われていた中、土性は苦戦が予想されましたが、見事な戦いぶりで決勝まで駒を進めて来ました。決勝の相手はロシアのボロべワ。

試合は終始ボロべワペースで進みます。1ポイントづつ重ねて0-2のまま試合は残り30秒。一気に試合を決めに来たボロベワのタックルを上手くかわして相手を倒し、すかさず足を取って2-2の同点に。スコアはタイですが、ビッグポイントの大きい土性がこのまま終われば勝ちという状況に逆転し、試合はそのまま土性がこのスコアを守り切って金メダル。なんとこの日行われた女子レスリング3階級全てで日本人選手が金メダルを獲得するという快挙を成し遂げたのです。

それにしても特筆すべきは彼女たちの精神力の強さ。最後まで決して諦めないという執念。まさにこれぞ金メダリスト!という素晴らしい戦いでした。3試合すべてが試合終了間際の逆転劇・・これを奇跡と呼ばずして何と呼べばいいのでしょうか?

第4位 バド決勝・タカマツペア執念の5連続ポイント

世界ランキング1位として堂々と決勝にコマを進め、日本バドミントン史上初の金メダルに王手をかけた高橋礼華・松友美佐紀の「タカマツペア」。決勝の相手は優勝候補の本命である中国ペアを破って勝ち上がってきたペダーセン・リターユヒルペア(デンマーク)。

1ゲーム目を落としたものの、2ゲーム目を奪い返したタカマツペア。試合は最終第3ゲームへ。

試合はクロスゲームのまま終盤へ。しかし終盤タカマツのミスなどもあり、デンマークが連続ポイントで16-19。タカマツペアは絶体絶命に追い込まれます。

しかしここからが圧巻でした。松友の無双状態が始まったのです。前衛から後衛から縦横無尽の活躍で立て続けに3ポイント連取で19-19のタイに。そして取った方がマッチポイントを握るという1ポイントはデンマークペアの激しいスマッシュの連打で幕を開けます。これを高橋が気迫のディフェンスで返すと、攻守が目まぐるしく入れ替わるラリーへ。最後は高橋の渾身のスマッシュを相手が拾いきれずついに日本ペアが逆転のマッチポイントを握ります。

最後のポイントも長身のデンマークペアの強烈なスマッシュを凌いで攻守逆転し、最後は高橋のスマッシュを相手がミス。タカマツが日本バドミントン界に初の金メダルをもたらしたのです。その場に倒れ込む高橋、嬉しさを隠しきれずに飛び跳ねる松友。まさに日本バドミントン界が待ち望んだ瞬間がそこにはありました。

試合の流れから言って、どう考えたって逆転できる状況とは思えませんでした。完全にデンマークに試合の流れは傾いていましたね。そこからの大逆転だからこそ価値があるのです。本当に素晴らしいメンタルの持ち主だと思います。

ちなみに高橋選手はこの絶体絶命のピンチの中で、同じく絶体絶命の状況から大逆転で金メダルを獲得したレスリングの伊調馨選手の試合を思い出していたと語っています。驚くべきはその屈強な精神力。だからこそ世界のトップへとたてたのでしょう。タカマツペアが日本バドミントンの新たな歴史の扉を開いたのです。

第3位 卓球男子シングルス準決勝・水谷準と馬龍、炎のラリー

日本卓球界史上初となるシングルスのメダル獲得を目指して準決勝に勝ち進んだ日本のエース・水谷準。しかしそこに立ちはだかったのは現世界ランキング1位・絶対王者の馬龍(まりゅう/マロン:中国)でした。

ここまで水谷準と馬龍の通算対戦成績は水谷の0勝12敗。

この大会でも馬龍は絶好調。水谷は苦しい戦いが予想されました。

試合は馬龍が持ち前の強烈なフォアハンドドライブで水谷を圧倒。あっという間に3ゲームを連取し、水谷は後が無くなります。

しかしここからが水谷の本領発揮でした。水谷選手は、強烈なドライブを武器にラリー戦では圧倒的な強さを誇る馬龍に対して、敢えてラリー戦を挑んでいったのです。水谷選手の気迫に気圧されたのか、それとも戦術変更に戸惑ったのか、馬龍にミスが出始め、水谷選手が2ゲームを連取。ゲームカウント2-3と、試合は全く分からなくなります。

明らかに馬龍に焦りが見え始めた運命の第6ゲーム。ここで卓球史上に残る凄絶なラリー戦が生まれる事となります。

ポイントは1-2で馬龍リードでの馬龍のサーブからの場面。馬龍の返球がネットに当たり、勢いがそがれたところを水谷がバックハンドで強打。これを機に馬龍は台から下がって防戦一方となります。ロビングで凌ぐ馬龍とスマッシュで決めにかかる水谷。しかし水谷の馬龍のフォアへのスマッシュが甘くなったのを見逃さずに馬龍が世界一のフォアハンドドライブで逆襲。これに対して水谷もフォアドライブで応酬します。

そして水谷が馬龍のバックを攻めて馬龍が力の無いバックハンドで返すと再び水谷の強烈なフォアドライブ。しかしこれを馬龍がフォアドライブでカウンター。すると水谷はバックでストップレシーブを試み、これがネットにかかって馬龍は返すのがやっととなり、再び水谷の攻勢が始まります。

この段階で会場の観客は既に総立ち状態。水谷のスマッシュをロビングで凌いだ後、再び水谷と馬龍の強烈なフォアハンドドライブの打ち合いに。最後は水谷のストレートドライブがわずかに外れてポイントは馬龍へ。ラリーはなんと28本。観客はスタンディングオベーションでこの世界一の壮絶なラリーを称えました。

試合はこのラリーを制した馬龍が押し切り、試合は2-4で水谷は敗退。3位決定戦に回り、サムソノフ(ベラルーシ)との3位決定戦を制して銅メダルを獲得します。

しかし水谷のハイライトは間違いなくこの馬龍戦です。特に第6ゲームの炎の28本ラリーは卓球史に永遠に語り継がれるほどのものです。まさかこんな場面がオリンピックで、しかも日本人選手の試合で見られるとは・・

間違いなくこの試合で男子卓球の人気は飛躍的にアップしたはずです。女子の影に隠れてきた男子卓球界の意地とプライドをこの水谷準の炎のラリーには見た気がしましたね。

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第2位 男子柔道・大野将平金メダル、JUDOを破り、柔道が復権した瞬間

前回ロンドンオリンピックでは史上初の金メダル獲得無しの結果に終わり、このリオでは日本柔道復権の至上命題が掲げられていた日本男子柔道。

1日目の高藤、2日目の海老沼がともに銅メダルと、2大会ぶりの金メダル獲得は3日目に登場する73kg級の大野将平に託される事となりました。

今回も金メダルなしに終わるのでは・・そんな重苦しいムードが漂う中、現世界王者の大野将平はそんなプレッシャーなど微塵も感じさせない堂々たる戦いぶりで勝ち進みます。

世界を席巻する柔道とは似て非なる「JUDO」。指導でポイントを稼ぎ、あとは技のかけ逃げや巧みに指導を狙いに行く戦術で逃げ切るJUDO。組手も変則、技も変則、いやそれ以前にまともに組み合おうともしないその異形のJUDOに、ここまで一本勝ちこそを美徳とする日本柔道は苦戦を強いられてきました。

しかし大野将平が体現したのはその日本柔道そのものでした。

相手の変則技に動じず、指導狙いの中途半端な技は仕掛けず、万全の組手となった僅かの瞬間を決して逃さず、ポイントを取った後も守りに入らず技で決めに行く。

まさに日本人が待ちに待った柔道復権の使者だったのです。

危なげなく決勝へと進んだ大野は、決勝でも技ありで先行しながら全く守りに入る事なく攻め続け、最後は相手優位の組手から逆襲の小内巻き込みで見事な一本勝ち。まさに柔道がJUDOを破って再び世界の頂点に返り咲いた瞬間でした。

金メダルが決まった瞬間も大きく喜びを表すことなく深々とお辞儀して畳を降りる大野将平のその姿は、まさに「侍」。

礼を重んじ、勝ってなお勝ち方にもこだわる日本柔道の真髄を再び日本人に思い出させてくれた大野将平。まさに日本柔道の救世主といえる戦いぶりでした。ただただひたすらカッコよかったですね。

第1位 男子4×100mリレー・桐生祥秀魂の雄叫び

リオ五輪開幕前から日本史上最強メンバーと謳われ、メダル獲得も期待されていた日本男子4×100mリレーチーム。

山縣亮太、飯塚翔太、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥という4人で構成されたリレーメンバーはまさに史上最強と呼ぶに相応しい面々でした。

予選を全体2位という好成績で通過してきた日本チームは、ジャマイカの隣、第6レーンという絶好のポジションで決勝を迎えました。

予選でアジア記録を更新した日本チームですが、決勝では最大の武器であるアンダーハンドバトンパスを更に進化させるという秘策でメダルに挑みます。当然失敗のリスクは高くなりますが、リスクを冒さなければメダルには届かないとの想いが、山県、飯塚、桐生、ケンブリッジの共通認識としてあったのです。

静寂の中スターターの合図を待つ選ばれし8か国のリレーメンバーたち。

スタートの合図が鳴ると、日本の第一走者・山縣亮太が絶好のスタートを切ります。最大のライバルであるジャマイカ、アメリカと互角の勝負で第二走者・飯塚翔太へ。最大の武器であるアンダーハンドパスを一度は握り損ねた飯塚ですが、慌てずしっかり受取り、ジャマイカ、アメリカと互角のまま第三走者の日本記録保持者の最年少・桐生祥秀へ。

バトンは完璧。桐生は準決勝へ進めなかった100mのうっ憤を晴らすかのような激走を披露します。メダル争いのライバルと思われた中国をぶっちぎり、アメリカ、カナダも置き去りにする第三走者一番の走りで最終コーナーで待つアンカー、ケンブリッジ飛鳥にバトンを渡します。

そしてケンブリッジにバトンを渡した桐生は、隣のレーンで並走する世界一の男・ボルトと共にあっという間に遠ざかっていくケンブリッジの背中に向かって雄叫びを上げ続けます。全力を出し切って何も残ってない自分の魂までをも遠ざかるケンブリッジに託すように・・

わたし的にはこの時の桐生祥秀の魂の叫びに最も心を動かされました。ああ、リレーってこうだよなぁ・・だからこそ日本は強いんだよなぁ・・

確かにバトン技術が最大の武器なのですが、やはりこのチームワークも大きな武器なのだと思います。仲間を信頼し、仲間に託すこの精神。バトンパスとともに日本が他国より抜きんでていたのはこのメンバーの団結力なのだと再確認しましたね。

桐生の魂の咆哮を背に受けたケンブリッジ飛鳥は追いすがるアメリカ、カナダを振り切って見事に2位でフィニッシュ。

日本の短距離界がアメリカを打ち負かして銀メダルを取るなんて、そしてその瞬間をこの目で見る事が出来る日が来るなんて、本当に夢のような瞬間でした。

恥ずかしい話ですが、一緒にテレビを見ていた妻とともにちょっぴり涙があふれてきてしまいました(妻は号泣笑)。

本当に素晴らしい瞬間をありがとうと、心の底から山縣、飯塚、桐生、ケンブリッジの4人には言いたいですね。

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